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審査委員長 河口洋一郎 (CGアーティスト、東京大学大学院教授) |
総評 |
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今まで見たことのない、新鮮で面白いものがたくさんありました。昨年と似たものがまったくないということは、実にすばらしいことだと思います。その中で、最優秀賞に選ばれた大石晃裕さんの「再構生」は、表現の深さと、物の見方の深さが圧倒的な評価を得ました。今回の受賞作品は、目の前のものを模写したものではなくて、何か別のフィルターを通して、ひとひねりしている作品が多かったように思います。
今回のテーマ設定が面白かったのか、テーマに対する出品者の自己解析が多様で、審査がとても楽しかったです。
次回もぜひ色々な作品をお願いします。今からとても待ち遠しい気持ちです。 |
受賞作品講評 |
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■最優秀賞について
最優秀賞作品の大石晃裕さんの「再構生」は、これまでにないまったく新しいスタイルの作品ですね。単純にクワガタのレントゲン的な絵で終わるのではなくて、自分の観念的な世界を時間の概念を入れて創作しているところが、とにかく新しい。ダビンチ的な観察力というか、生き物の構造や形の発生・変容に対する科学的な関心を強く感じます。
とにかく、このクワガタの変容する過程がすごい。生物に対する情感のようなものが、科学的な観点からうまく表現されているのが実に面白いですね。
圧倒的にすごいのが、形に対する精密な観察力と想像力。それがこの作品のすべてかもしれません。サイエンスとアートの中間をうまくやった、という、これまでにない、新鮮な作品で、圧倒的な評価を得ました。
■優秀賞について
作品テーマ「香」の優秀賞作品、川崎ますみさんの「strange impression」は、単純に目の前に見えているものを模写した作品と違って、その人の過去という時間の中での表現なので、メンタルなところが大きくて面白いですね。具体的に何が描かれているのかというものではなくて、記憶の中の抽象的なものを描いているのが非常に面白かったです。
作品テーマ「楽」の優秀賞作品、Tamara Agapovaさんの作品は、音楽的なリズム感が非常に出ていて、見ていて楽しいですね。ペインティングの部分でのセンスの高さを感じます。画面構成のリズム感が丁寧にできています。
作品テーマ「兆」の優秀賞作品、久保田絵理さんの「今ねぇ、ちょっと準備してるとこ。」は、発想の部分や、少しかわいすぎるくらいの顔などの図柄がとても親しみやすいのですが、ひとつひとつのテクスチャーの表現が非常に丁寧に描かれていてすごいですね。織物や包装紙の柄、髭や髪の毛なども、ひとつひとつ丁寧に描いているから、仕上げの密度感が高くて素晴らしいです。
■審査委員特別賞について
今回、審査委員特別賞として、2つの作品を選びました。
「香」の作品テーマで描かれた、江橋俊枝さんの「くいしんぼ」は、素材としては非常にハッピーな子供の世界なのだけれど、鳥の羽のテクスチャーなどはすごく細かいですね。背景のドロッした質感も新鮮です。これからもこの表現を伸ばして、これ以上に毒々しくしていけば個性が出て面白いかもしれません。ただ、他の作品に比べるとリズム感、立体感、空間性は若干劣るので、逆にそれを武器にするか、それとももっとうまくなるか、どちらかでしょうね。これからクリエイターとしてやっていくなら、他の人にはない方向性を見つけるのが一番の秘訣ですね。
「楽」の作品テーマで描かれた、黒滝淳さんの「おカアちゃんの大好きなドレス」については、とても印象的な作品で、審査委員の注意を引いた作品でしたが、技術的に非常にうまいです。版画家をされているということですが、黒地に赤の色合いや地面のグラデーションなどは、版画家らしい感じがしますね。69歳というお年でこの作品ですから、非常にハイカラな方なのだろう、と想像します。これだけ技術があるので、これからもますますがんばってください。 |
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審査風景 |
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| 河口洋一郎審査委員長 |
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真剣な表情で作品を審査する
土佐信道審査委員 |
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作品プロフィールを読む
神田さおり審査委員 |
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会場には700点もの作品が並ぶ |
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| 作品についての会話も弾む |
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いよいよ最終審査 |
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最優秀賞受賞作品を囲んで審査委員の方々
左から土佐審査委員、神田審査委員、河口審査委員長、ケビン審査委員 |