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DIGITAL CREATION AWARDS





■ 審査を終えて ■


TORAYのデジタルアートの国際的なコンペティションの審査を終って、率直に言っていま素晴らしいアート表現の場が生まれつつあると思った。
いままでにもCGによる国際コンペティションは数多くあった。しかし今回受賞した作品の水準とバラエティの広がりはずば抜けていた。
その理由は次のような点にあった。
第1に従来のようにコンピュータを操作しているうちに偶然できてしまったような作品ではない。CGの可能性を自分の表現目的のために、さまざまな工夫をもって追求しているからである。
最優秀賞の「母と子」や優秀賞の「そして星になったゴールデンリトリーバ」などに見られるように、独自の詩的世界をデジタル技術から生まれる質感によって表わしている。絵画や版画や印刷技術の中で追求されていた質感のように見えて、そういう伝統を超えようとする努力を高く評価したい。
次いで優秀賞の「Strange Fruit」や特別賞の「Rhubarb Knee」は一見したところ彫刻の写真のように見えるが、ここでもデジタルアートの手法による自由な形態の発想が生きているのである。
もちろん「Brave New Worlds」や「狩猟白書」や「You Are So Beautiful」のように過去の絵画表現へのデジタルアートからの挑戦のような作品もある。また「In Your Mind's Juices」や「聖なる山」のようにCGならではの超現実的なイメージ世界を繰り広げたものまで、多彩な技術的可能性の発現が見られる。
デジタルアートはまさに、コンピュータによるイメージのデジタル化を推進すると同時に、人間の想像力のアナログ的湧出を可能にしているのである。科学的な技術とアートの力が一体となって創造活動の謎に迫っているのである。その点でルネッサンスに発明された遠近法のデジタル的技術が、その後絵画から都市計画までの幅広いイメージ世界を開拓したのを思い出す。
このDigital Creation Awardsの今後の発展に期待したい。


審査委員長 山口 勝弘


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