DCAは東レが文化支援の一環として主催するコンピュータ・ピクチャーの公募展です。

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TORAY DCA
WINNER'S TIPS
過去の受賞者の方々に、製作過程やテクニックを伺っていくこのコーナー。
第3回目はドイツ在住のSiegfried Schreckさんです。
受賞作品ではあたたかみのある優しい色使いが審査委員から高い評価を受けた、Siegfried Schreckさんの創作世界に迫ります。
第3回
DCA2001 優秀賞受賞  Siegfried Schreckさん
「Summer Flowers」
(テーマ:色)
受賞作品ページへ
[作品について]
もの悲しい11月のある日、過ぎ去った夏を追憶して、この作品を作りました。あふれる自然の色、陽光に輝く花々を、永く記憶にとどめておきたかったのです。
その夏に私が見たもの、夏が私に与えてくれた思いを、厳しい冬が訪れる前に形に残しておきたかったのです。
DCAに応募したきっかけはなんですか?
2001年12月から2002年1月にかけて、東レ・アートスペースのオンライン展示で、私のデジタル絵画を発表する機会に恵まれました。そのときにDCAのコンテストの存在について知らされ、締め切りまでの時間が短かったのですが、さっそくこのコンテスト出品のための作品制作にとりかかりました。「色」というテーマへ出品することを決めて、とても力強く、キラキラと光る色彩を使った絵をデザインし、タイトルを「Summer Flowers(夏の花)」にしました。

今回の受賞作品で苦労された点、こだわった点はなんですか?
新しい絵を描きはじめるときに、一番大きな問題になるのは、いつでも、制作の最初の段階です。どんな絵を描こうか?仕上がりはどんな絵になるか?そして最後に--タイトルは何にするか?

この「Summer Flowers」に関して言うと、一番苦労したのは草、花、その他の植物など個々の要素をいくつか作っておいて、これらを、すでに作ってあった背景の上にあとから1つずつ挿入していかなければならなかった点です。その上、作品にぴったりとくるタイトルを考えるのも容易ではありませんでした。

制作に際しては何かテーマを持って作品に取り組まれているのですか?
いいえ、特定のテーマを持って絵を描くことはしません。テーマを持っていると、自分のアートセンスを狭めてしまいます! 作品の制作中は、自由な感覚で、自分のアイディアを展開していくチャンスが必要なのです。それに加えて、自分のアート制作には、運やチャンスも、とても重要な役割を果たしていると思います。

私の絵のテーマは、いつも描き終ってから出来てきます。長い時間をかけ、集中的にかなり深く考えて、タイトルを作ります。ここでも、自分の感覚や、特に色彩に自分を導かせるようにしています。

DCAで優秀賞を受賞された後、何か変わりましたか?
(たとえば、仕事の依頼が来たり、アーティスト同士のネットワークが広がったりというような)
DCAの優秀賞をいただいたことに、感謝の気持ちで一杯です。これによって国際的な認知を得た、ということが私にとって大きな意味を持つことになりました。また、世界中からの素晴らしいフィードバックもありました。たくさんのアーティスト(そのほとんどがデジタルアーティスト)から、お祝いの言葉をいただきました。

特に、2000年度のDCA最優秀賞を受賞されたJ.D.ジャービス氏からお祝いの言葉をいただきまして、大変嬉しく、光栄です。

自分にとってこのたびの受賞は、デジタル絵画の分野で新しい方向性を探っていく大きな動機づけとなりました。

CGを始めたきっかけは?
私が初めてのコンピュータを手にしたのは、1987年です。これはとてもシンプルな作りのコンピュータでした。それ以前は、タイプライターを使って詩文や詞を書いていました。それから、それらの作品のコピーをとり、それらをまとめてファイルしておく、という作業をしていました。コンピュータを使い始めて、そういった作業−プリントアウトし、すべての情報をほんの小さなスペースに保存すること−がすべて、同時にできてしまうようになりました。

コンピュータのおかげで、私は大変多くの時間をクリエイティブな作業のために費やせるようになりました。それと同時に、この新しいタイプのメディアを利用して、音声とグラフィックスをベースにしたプログラムで実験的なことをする、新しいアイディアも持っていました。コンピュータゲームをするのも好きでした。

1998年に、コンピュータを使った新しい分野に挑戦したいと考え始め、コンピュータで絵を描き始めたのですが、これに非常にインスピレーションを感じました。この時は、フォトショップで、様々な形や色を使って作品を作るテクニックを身につけました。私はこうして、コンピュータ絵画の分野で、自分のスタイルを確立しました。

それ以降、自分独特のテクニックを開発してきました。私がおもに魅力を感じるのは「色彩」です。色に息吹を与える、ということが私の目指すところです。私にとって、他のアーティストとの比較の中で、「自分は違う」ということは重要です。自分の代わりになるアーティストが他にいない、ということだからです。

次回のDCAに応募しようと思っている方々にメッセージをお願いします。
東レのコンテストは、自分にとって個人的なチャレンジでした。また、コンピュータ絵画という手法を使って、一生懸命挑戦している人がたくさんいることを世界に知らしめる大切な機会にもなっています。大変な訓練を積んだ絵筆の名手は別として、コンピュータのマウスは誰でも使ってみるべきです。たしかに、意志と才能が必要な分野ですが、この方法での絵画制作に接点を見出して、自分を重ね合わせられるはずです。コンピュータでも、生き生きとした絵が描けるのです。

また、インターネットの世界では、何百万という数の人々に、たった数秒でアートを発表することができます。コンピュータを道具にして絵画制作している者にとっては素晴らしいことです。
DCAはいつも、アーティストにきっかけを与えてくれ、また新しい目標を設定させてくれます。

ありがとうございました。
第3回:2001年優秀賞受賞
氏名 : Siegfried Schreck
性別 : 男性
職業 : テクニカルエンジニア
E-mail : Siegfried.Schreck@t-online.de
URL : http://www.vonschreck.de
ここがポイント!
画像をクリックすると拡大してご覧になれます
背景の作成。背景色にねじれやぼかし処理をするため、色彩の要素を挿入。
フォトショップでさらに処理、色を挿入。
ここではたとえば:花模様を黒や白で描く(左)。ねじれ処理をした後(右)。
花、草などの要素を挿入。フォトショップでこれらの要素をさらに処理。色々なテクニックやフィルターを適用する(ここでは:影、リリーフ、ねじれ)


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