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[作品について]
タンスの引き出しを開けると日本の様々な季節の箱庭が現れる、という民話にインスパイアされて出来た作品です。触れられないものに触れてみたいという願望です。 |
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| CGはいつ頃から製作されているのですか。 |
| CGと呼んでもいいのかどうか分かりませんが、1998年に初めてのMacintoshを買ってからです。PhotoshopやIllustratorの機能に驚きながら、ひたすら遊んでいただけだったのですが、そのうちインターネットで見つけた画像制作の仕事をするようになり、3Dソフトなども使うようになりました。 |
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CGを始めたキッカケは何だったのでしょうか?
元々は服飾デザイナーである家内のために購入したMacintoshだったのですが、最初の設定などを自分でやっているうちに、すっかりその面白さの虜になってしまいました。
コンピューターとの出会いは、学生時代に版画を専攻していたのですが、当時何か新しい表現はないかと模索していた時に友人に勧められて買った富士通のFM-77 AVでした。しかし、純正のグラフィックソフトを使っても出来ることは非常に限られていて、その上、処理速度やデータ保存方法の関係で大判の版画として出力することは事実上不可能と知り、とても落胆しました。
それから10年以上はコンピューターとは全く縁がなく、ひたすら手作業での作品作りに没頭していましたが、家内のMacintoshでPhotoshopを操作してみて「これなら自分のやりたいこと以上のものが出来るかも知れない。」と感じたことがきっかけだったと思います。 |
DCAに応募されたのはどんな動機からだったのでしょうか?
DCAの存在は3〜4年ほど前から知っていました。
僕の知っている限りでは受賞作品のレベルも非常に高く、海外からのオンラインでの応募にも対応されていることもあり、いつか挑戦してみたいとは思っていました。
今回、ようやく本当に自分らしいと思えるものがコンピューター上で出来たと思えたので、思い切って応募してみました。 |
| 今回の受賞作品「SSFW(春夏秋冬)」でこだわった点や苦労された点を教えてください。 |
手作業で作品を制作していた頃は、四角いキャンバスや紙に描くことがどうしても必然だとは思えず、そこから何とかして逸脱することばかり考えていました。新しい素材や技法、展示方法などを求めて迷走しているうちに自分にとっての「絵を描くことの本質」がすっかり見えなくなってしまうこともありました。
今回の作品ではそうした拡散しすぎてしまった思考をもう一度整理して、「地と図」や「質感の対比」、「物語性」などの問題と改めて対峙してみようという気持ちがありました。 |
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山根さんの作品は、審査委員の間でも「造形力がすばらしく、文句なしで最優秀賞だ」との評価でしたが、モチーフにされている象徴 的な「物」はどのようなテーマを持たせて作られたのでしょうか。また、モチーフは、どのように描いていらっしゃるのですか?
僕の作品に登場する物体たちは、アナログ時代のスケッチから使い続けているモノもありますが、なるべく日常にありふれていて、それ自体が象徴的な意味を持たなく、形も出来るだけシンプルな物を選ぶようにしています。
素材となるオブジェクトはCINEMA 4Dと言うソフトでモデリングからレンダリングまで行いますが、その際に以前に作ったオブジェクトなどを融合させたり、変形させて組み合わせたりと言うことをすることもあります。
こういったことが思いついた時にすぐ出来るのはアナログ時代には想像も出来なかったことです。
2Dの素材は、日頃から時間が空いたときにIllustratorやPhotoshop、Painterなどで作ったデータベースがあるので、そこからテーマに合わせて選んできます。
初めてコンピューターを買ったときからコラージュという表現方法をもっと追求してみたいという気持ちがあったので、こういったやり方は自分に合っていると思っています。
あとは出来上がったオブジェクトが自分の気に入った「不協和音」を奏でてくれるように配置し、2Dの素材や質感をPhotoshop上で追加していきます。 |
DCAを受賞されたことで、何か変化はありましたか?(友人から見たよ、と言われたとか、制作活動にもっと意欲が出た!とか・・・)
何人かの友人や知人からお祝いの言葉をいただきました。また、家族から、仕事以外のことをしていても遊んでいるわけではないと言う理解が得られたことも今回の受賞で大変嬉しかったことの一つです。
また、今度のような大きな賞をいただくのも、アナログ、デジタルを通して始めてのことだったので、自分とアートとの関わりそのものが報われたような気がして大変感謝しています。 |
今後はどういう作品を創っていきたいとお考えですか?
コンピューターを使うようになってから、以前のように一つのスタイルにこだわる事があまりなくなってきました。とは言っても、結局自分が作り出す物はどこかで作った人間らしさを主張する物ですが、一つのアイデアを実現して消化出来るスピードが上がったおかげで、色々な試みが出来るようになりました。
これからもそれまで作った作品の傾向に拘泥することなく、その時その時の「リアルな自分」を表現していけたらと思っています。 |
DCA2005の作品募集が始まりました。これから応募されようとしている方々にメッセージをお願いします。
今、デジタルアートのコミュニティを構成しているのは、従来の絵画展のように美大で絵画や彫刻を専攻した人たちばかりではありません。
写真やデザイン、広告、または全く別の分野で活躍されている人たちも大勢います。
新しい考え方や価値観に触れることで得られる物は多いし、そこから新しい何かが生まれてくる可能性も大いにあると思います。
自分で納得できる作品が出来たら、誰にも均等にチャンスがあるこのコンテストにぜひ一度挑戦してみてください。 |
第8回:DCA2004 最優秀賞受賞
氏名 : 山根 久聡
性別 : 男性
職業 : アーティスト
E-mail : nykuma@mac.com |
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1.オブジェクトのモデリングとレンダリングはCINEMA 4Dと言うソフトで行います。
オブジェクトは日常的に見られる物を選びますが、モデリング作業は実物や写真はなるべく見ないで、記憶だけを頼りにして作り込みます。
表面の質感やライティングなどを決めたら、フォトショップ形式でレンダリングします。
この時、マルチパス出力を選んでおき、距離や照明の明るさ、影の濃さ、オブジェクトのアルファチャンネルなどを別々のレイヤーに書き出します。 |
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 (右)Photoshop用に書き出した状態。 |
2.デプス(視点からの距離)チャンネルから選択範囲を作り、背景などをぼかしていきます。
このときテクスチャーの見え方に変化を与えるためにオブジェクトの一部分を別レイヤーにコピーして、モーションブラーなどを適用した後、「スクリーン」などの合成法で配置したりしています。 |
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3.旅行の時に撮った教会の写真を90度回転させた物から教会の部分を切り抜く。
反転コピーして一つのレイヤーにしたら、ガウスブラーやモーションブラーを適用し、出来るだけ元が何なのか分からないようにする。ここでも雲状の選択範囲などを作って、部分を別レイヤーにコピーして強度を変えたぼかしをかけることで単調さを避ける。
ぼかしは出来るだけ、少しずつ様子を見ながらかけていくと望み通りの結果が得られやすいと思います。
背景に溶け込ませるためにレイヤーモードの「乗算」で合成します。 |
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4.Illustratorなどで作っておいた、フラットな質感の素材をPhotoshopに読み込む。
そのままではエッジがきつすぎるので、ブラシストロークなどのフィルターを使ってエッジを荒らす。
フラットな面にはノイズを加えるなどして、暖かみを加え、透明度や合成法などでさらに背景となじむようにする。 |
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| 5.デジカメで撮ったスプーンを切り抜き、トーンレベルや影を調整し、ノイズを加えて「ハードライト」で配置する。 |
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6.同じくデジカメで撮った汚い壁の写真に水彩タッチのクイックマスクを適用して、「ソフトライトで最前面に合成する。
壁の質感は2〜3枚重なり方を見ながら追加していく。 |
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| 7.さらにPainterで作った水彩のドリッピングのイメージや、掃除用ローラーに付いたゴミをスキャンしたものを重ねる。 |
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8.適当なブラシのタッチでアルファチャンネルを作っておく。
すべてのレイヤーを一枚のレイヤーに統合したレイヤーを最前面にコピーして、前述のアルファチャンネルからクイックマスクを適用して「スクリーン」モードで合成する。 |
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| 9.黒すぎる画面にメリハリを与えて完成です。 |
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